さっそく、先日購入した万年筆を使って日記を書いてみた。
すばらしい書き味。
滑らかに筆が走る。

数々のレビューやネットの掲示板「万年筆について語ろう」をむさぼり読んで参考にした。
ちょっと高いかな、僕にはまだ早いかなって気がしないでもなかったが、買って正解だった。

でも、今年は特に厳しい年度だった。

クソ仕事をクソ上司がひっきりなしに押しつけてくるわ、新入社員のクソな論文の査読を押し付けられるは、散々だ。
大きなため息が、ひとつ。
今年、いいことってあっただろうか。

そういや、とびきり可愛い彼女ができたな。
小鹿のような黒目がちの瞳。
少女のようなぱっつんのオカッパの髪型。

可憐な体つきは往年の、ローマで男前の記者と火遊びを楽しんだ王女役を演じた女優のようだ。
にしても、世界で一番稼ぐ、あのネズミ好きには正直参っている。
僕にはさっぱり理解不能だ。

ネズミが音頭を執るパレードを見ては毎回懸命に手を振る。
頭にはネズミを模した巨大な黒い耳をカチューシャ?状に縛り付けてご満悦だ。
「滑稽だなあ、大の大人が」しみじみと眺めていると、愛らしく小首を傾げて上目遣いに視線を送ってくる。

とろけるほどに甘いほほえみ。
困るのは、その顔がとても愛らしいってことだ。
媚びを売るなら、日常の場面で売ってくれたらと切実に思う。

が、ネズミの住む埋立地が最高らしい。
つけっぱなしにしているTVがお涙頂戴の場面になった。
ドキュメンタリーらしいが、どうせヤラセだろう。

スタジオでもらい泣きしている観客も全員エクストラ、劇団員だろう。
だが、あの子役はうまいな。
迫真の演技だ。

将来大物になるかもしれない、覚えておこう。
もっとも、あのネズミを超えるのは無理だろうがな。
ふふふ、と我ながら秀逸な皮肉に笑みがこぼれる。