友人は、不倫をしています。
それも、すでに20年近くになると思うのです。
高校を卒業して銀行に勤めていた彼女は、その上司と付き合うようになりました。
銀行では、同じ地域内で、よく転勤があります。
だから、二人は周囲にばれずにつきあっていけたのかもしれません。
悲しかったのは、彼女は彼が離婚して結婚してくれると信じていたこと。
私からみると、見た目がいいわけでもなく、リッチなわけでもなく、話が面白いわけでもない、普通の人でした。
彼女と彼の奥様は同じスポーツクラブに通っていたので、私たちから見るとかなりあやうい道を歩いていたと思います。
それが何年か続くとさすがに彼女もわかれる決心をしました。
それを後押ししたのは、最近知り合った5歳年下の男性。
今時の顔立ちでなぜか彼女に夢中でした。
彼女のほうも次第にひかれていったと思います。
追いかけられているうちはほっとく彼も、彼女の心が離れはじめたと知ると猛攻をかけてきたのです。
急に夜。
遊びにきたり、食事に誘ったり。
今までほっといたのに、私たち女友達どおしの旅行にも反対するほどの執着ぶりです。
いつしかストーカーのように部屋の前に待っているようになりました。
ちょっとこわくなってきた私たちは、いつも以上に彼女を外へ連れ出すようになったのですが、それが逆効果になってしまった事件が起きました。
彼女の車が傷つけられ、中傷された手紙が張り付けられていたのです。
彼女はとても傷つき、私たちは警察に行ったほうがいいのではとさえ思いました。
そんな彼女を年下の彼は守ってくれていたのですが、そんな彼にも乱暴をはたらくようになったので、彼女は、年下の彼を遠ざける決心をしてしまったのです。
そして、それから、10年たった今でも彼女は不倫を続けています。
きっとあの事件の時が別れる最後のタイミングだったのだと、話す彼女を見ていると「なぜ?」という疑問がいつも浮かんできます。
すぐに付き合ってしまう悪い癖
10代の頃、私には勝手な持論があって片思いを長くすることを拒んでいました。
一方的に思っていても本当の相性がわからないと思っていました。
片思いのハラハラした辛さに長い間耐えられなかったこともあったかもしれません。
そんな私は好きかもしれないと思ったらすぐに告白して、付き合ってから本当に好きになっていくタイプの人でした。
でも気持ちが高まってから付き合っていたわけではないので、すぐに別れたとしても早めに吹っ切ることができるようになっていました。
傷つく恋愛をしたくなかったんだと思います。
しかし20代になってからはこの恋愛の仕方をするとことごとく失敗してしまいました。
というのはやはり長い間付き合おうとしている人が増えてきたからだと思います。
そして私自身も無意識のうちに、誰かとしっかり向き合いたいと思うようになっていたのだと思います。
私の片思いが辛いからというすぐ付き合う方法だとよくわからないうちに相手と付き合うので失敗ばかりでした。
超ナルシスト男、悲劇のヒロイン男、ギャル好きの男、やはり良く相手を知ってからでないと中身はわかりませんでした。
これを教訓に相手を見極めることをしっかりしようと思いました。
たとえ片思いが長くて傷つく結果だったとしても、もう人数だけ重ねる恋愛は卒業すべきだと悟ったからです。
そうするとなかなか人に好意を抱けなくなりました。
しっかりと知ってから恋愛をするのは思っていた以上に難しいと知り、だからこそみんな苦労しているんだと20代になってから痛感しました。