外資系の会社にいた時のこと。
私はよくアメリカ本社に出張していたので、本社のメンバーのことはとてもよく知っていました。
私は日本市場担当だったのですが、日本以外のアジア担当は、インド系アメリカ人の男性で、とても明るくって楽しいひとでした。

口の達者だったので、よく日本でのセミナーに講師として招いていたのです。
そのうちに日本のメンバーの一人と恋愛関係になったのだそうです。
実は、私は全然知りませんでした。
しばらくしてその彼女が、体調を崩し、会社をたびたび休むようになりました。
そして、とうとう会社を退職しました。
私のほうはあいかわらず、日本とアメリカをいったりきたりしていたのですが、偶然にもサンフランシスコの空港で彼女に会ったのです。
どうも同じ飛行機だったようです。
もちろん声をかけました。
彼女は、少し照れくさそうにしていたのですが、インド系アメリカ人のところに遊びに来たとうれしそうに話してくれました。
でも、私は、彼にフィアンセがいて、そろそろ結婚することを知っていたので、ちょっと複雑でした。
確かに少しやんちゃなところがある彼でしたが、彼女の気持ちがここまでであるとは思っていないような気がしました。
そして後から知ったのですが、彼女と私がサンフランシスコについた、翌日が彼の結婚式だったのです。
こんな偶然があるなんて、彼女とあの時空港で別れなければよかったと後悔しました。
だいぶ経ってから、日本に彼女が戻ってきて田舎にいることを知りました。
今は、もう会うことはないのですが、幸せでいてくれるといいと願っています。

若くして運命の相手に出会った友人

私の友人で高校から大学三年まで同じ人と長く付き合っている子がいました。
私は高校が女子校で誰かと付き合うなんてことはおろか、男友達もいなかったので、羨ましいなと思っていました。

とても美男美女で紹介された時、これが本当にお似合いのカップルなんだろうなと思っていました。
そんなある日、その子から彼と別れたことを聞きました。
とても驚きましたが、環境が変わってしまったのが大きかったと聞き、そういうものなのかなと納得しました。
そして彼女は同じサークル内の先輩と付き合いだしました。
彼女が誰かを好きになる過程を見たことがなかったので、とても新鮮で幸せそうで、これで良かったのかなと思っていました。
しかし、その二人はあっという間に別れてしまいました。
どうやら二人が付き合っていた間も元彼がずっと彼女のことを忘れられず、気持ちを伝え続けていたらしいのです。
彼女も長く付き合っていた彼と比べてしまい、結局長続きしなかったと言っていました。
それから5年後、彼女から結婚式の招待状がきました。
相手はあの高校時代から付き合っていた人でした。
思わず招待状を見たときは嬉しくなりました。
結婚前に二人で会って食事をする機会があり話を聞くと、あの後も何人かに告白はされたけれど、やはり昔から知っている彼に適う人はいなかったそうです。
運命の人と16歳で出会っていたことをなんとなく認めたくなく、他の世界も見てみたかったそうでしたが、やはり彼が一番だったそうです。
本当に運命の相手は存在するんだと、その時勇気づけられたのを覚えています。