どう見ても、20代後半には見えない。
ネットで知り合った人との待ち合わせに来たその男は、どう見ても30代後半、もしくは40代前半。
どうしても、失望を隠せず顔に出てしまう。
すると男は言った。
「いやあ、道路が混んでてさ」。
男はわたしと歩調を合わせた。
そうして、ペラペラ話し出す。
「君の映画観、いいよね。
一番好きな監督って誰?」。
そうねえ、誰かな?考えている最中に、男はまたもペラペラ。
「俺は誰が最高って特定できないな。
どの監督もそれぞれ独自の視点、持ってるじゃん?特定なんてできないよね」。
だったら、聞くなよ…。
「いやあ、会えて光栄だなあ。
あの映画好き・ファンサイトで、君はマドンナだよ面白いよ」。
それから彼はなおも続けた。
「もっと華やかな人かと思ってた…実物はけっこう地味なんだ…あ、いやそうじゃないよ!落ち着いた人って、好きだよ俺」悪かったわ…これでも、思い切りオサレしてきたんですけどね。
いつもの3倍は「華やか」に装ったんですけどね。
「一番の作品って何?これって前も聞いたっけ?ネットの掲示板で」そうねえ、どれかなあ…。
考えていると、男がまたも待ちきれずに話し出す。
「俺は特定なんてできないね。
どの作品も、それぞれの監督、俳優たち、そして数限りないあまたのスタッフたちの思い入れが詰まってんだぜ。
失礼だよ。
じゃあ、他のは駄作なんですか?って話になるよな」。
だったら、聞くなよ…。
おかしいな、ネットじゃあ思い切り爽やかだったはず。
「イタリアン、予約してんだ。
フレンチは高いじゃん?そんな金、誰が持ってるんですかって話」。
そうして、わたしの夜はふけていった。
映画館
レンタルビデオが普及して最近では宅配レンタルサービスや、映画のネット配信など劇場に足を運ばなくても家に居ながらにして映画を楽しめる時代になりました。
映画ファンにはたまらない世の中になったと同時に、映画館ファンは劇場の減少を嘆いていることでしょう。
昔は映画館に行くしか映画を楽しむ方法がなかったため、どんなに小さな街にでも映画館があったものですが、映画好きな私に取っては少々寂しい時代になりました。
では映画館は廃れてしまうのかというと、去年辺から3D映画ブームがやってきたこともあり最新式の3D映像から、昔の映画を3D化して放映したりしています。
まだまだ家庭には3Dテレビが普及していないので、実際に映画館に行かないと楽しめない訳です。
ただし3D映画については、国民生活センターに3D映画を見て気持ちが悪くなったとか、乗り物酔いになってしまったという苦情も寄せられています。
ですので3D映画を鑑賞する際には体調が悪い方、以前に3Dをみて気持ちが悪くなったという方は予め注意が必要となってくるでしょう。
3Dでなくとも映画館で観る映画は楽しい物です。
映画館から離れてしまった方もたまには足を運んでは如何でしょうか。
ところが、やはり評判は良くないのか、3Dゲームも販売が伸びず、やはり目に負担がかかることはマイナス要因ですね。
そもそも高速バスに揺られながらのポータブルゲームは、車酔いの原因になるのは言うまでもありません。