好きになってはいけない人

今どき、珍しくないのかもしれない。
10個の年の差なんて。でも、年の差以前の問題だよね。
今の時代でも絶対にタブーだ。教師と生徒の恋愛なんて…。

最初は、ただのおじさんだと思ってた。無精ひげは生やしてるし、タバコは吸うし、いつもカップラーメン食べてるし。
でもあの日、私と彼は恋に堕ちてしまった。

いつもの日常、歴史の教師なのになぜか音楽室の横に彼専用の部屋があって(名目はカウンセリングルームだった)、ブラスバンド部の私は、いつもそこでみんなとだべってた。
でも、あの日は他のみんながなんだか予定だらけで、早々に帰って行って、家に帰っても暇な私が一人残ってた。

ついつい彼との話が盛り上がって、なんてない他愛無い話だったんだけど、趣味が合うんだよね。
気づいたら、外は真っ暗になってた。
「ごめんっ!さすがに送っていくわ!」
学校の外の彼を見たのは初めてだった。

車の狭い空間に二人になって初めて気づいた。
私、彼の横顔とか声とか大好きだった。意識して初めて気づくなんて…。

ドキドキしすぎて、家の案内を間違えた私のせいで、いつも間にか夜の海に出ちゃったんだよね。
「ちょっと降りるか。」
きっと、この時から彼も素になってた。

どちらかともなく手を繋ぎ、何にも考えずに唇を重ねた。時間が止まったみたいだった。
そんな日から半年。タブーについては考えないようにして、今でも私たちは学校の外でだけ恋人でいる。

きっと、考えてしまったら終わってしまう関係。
もう少しだけ…。この気持ちに蓋をしたくなんてない。

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