彼女の作戦勝ち

「え?」と言うと「今日は気になっていた人が一緒に来ていて、少しでも可愛い格好にしようと思って。
ショートパンツも初めて買ったんですよ。

でもなんか彼女さんと思われる人も一緒に来ちゃって、私何しているんだろーって嫌になって飲みに走っていたらこんな事になってしまってあはは、と彼女は笑いながら一気に話した。

泣かないように頑張っているようにも見えた。
俺はあっという間に心を持って行かれた。
強がりであろう彼女が、知らない俺にだからこそ話せた心の中の気持ちをもっとたくさん理解してあげたかったし、自分の方にその気持ちを向けてほしいとまで一瞬で思ったのだ。

一目惚れだったのかもしれない。
でも彼女はこう続けた。
「でもなんか諦められないんですよ!今日は飲んでスッキリして、明日からまた自分を磨いて彼に認めてもらえるように私頑張る事に決めました!」

俺は一瞬で恋に堕ち、気持ちを伝える前にあっという間に振られてしまった。
芯の強い彼女をいつか自分の物にしたいと、俺も強く思った。

あれから1年が経ち、俺はまたこのビアガーデンに来ている。
そして今日、あの彼女を見かけた。
あの彼と2人で楽しそうに乾杯していた。

見事の玉砕であるが、彼女の策士ぶりは薄々感づいていたので、なんとかモノにするのではと思っていた。
作戦勝ちです。

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