女の子なら誰もが抱くバージンを捨てる日のシチュエーションへの夢。
そんなもの、意外とあっさりどうでもよくなるのだと、私は今日思い知らされた。
彼との出会いは、友達の紹介。
顔写真を見せられ、ストライクでタイプだったので、メールから始めた。
趣味が合って(合いすぎて最初はただ合わせられているだけだと思ったほど)、お互いの環境も似ていて、会うまでに時間はかからなかった。
初めて会った日、写真の印象そのままの爽やかな好青年だった彼に、私はますます魅かれていった。
そして、その日に彼から告白され、私たちはメールを始めてから2週間で付き合い始めた。
それからは、週に3回は会って、映画を見たり、食事をしたり、遊園地に行ったり、いわゆる健全なデートを楽しんだ。
彼は、なかなか消極的で、1ヶ月たつ頃まで、手も繋いでくれなかったから、始めは逆に不安になったりもした。
でも、一度タイミングが合って手を繋いでからは、もう離れたくないというほどに会うたびにくっついていた。
お互いに、とても愛おしく、できるだけ近くにいたいという気持ちが溢れそうだった。
そして、3ヶ月目の今日、少し帰りが遅くなっても大丈夫だったので、いつも通りご飯を一緒に食べ、公園で話していた。
私を後ろから彼が包む格好で座り、話していたのだけれど、お互いにもう話なんてできないぐらいに求めているのがわかってしまった。
そして、ついに私はバージンを捨てた。夏の公園で。
もちろん、彼も初めてで、全然わからなくて途中笑ったりしちゃったけど、重なった瞬間は涙が出るほど幸せだった。最高のシチュエーションだと思った。
素敵なベッドの上じゃなくたって、愛おしい彼となら、どこでだっていいんだと思えた。
そんなことに気づかされた。