一年越しの失恋

あの日は確か真夏日で、でもなんとなくカラっとした暑さで心地よかった。
前からこの日は男友達で集まって駅前のビアガーデンに行こうよ!となっていた。
値段は安いのだが、ビールは自分たちでお代りに行く。そんなシステムも学生の俺達には
イベント感覚で楽しいのだ。

乾杯して楽しく飲んでいると、後ろの方の席で盛り上がっている女の子達のグループが目に入った。
何度もお代りをしに俺達の横を楽しそうに通って行く。

そのうち一人でお代りに来たショートパンツの子が、急に転んだようにうずくまってしまった。
びっくりした俺が慌てて「大丈夫?」と駆け寄ると、どうやら彼女が履いてきたピンヒールが地面の隙間に挟まってしまったみたいだった。

「すみません、ありがとうございます」
と言って恥ずかしそうにしていた。なんとか一緒に引っ張って事なきを得たんのだが、
なんとなく違和感を覚えて彼女が去っていくのをぼーっと見ていた。

しばらく楽しく飲んでいると、また彼女がうずくまっていた。
またピンヒールだ(笑) 
少し笑ってしまいそうになったが、慌てて駆け寄ると「本当にすみません」と彼女も恥ずかしそうに笑っていた。少しドキっとした。

俺が一生懸命ピンヒールと格闘していると、「いつもはこんな高い靴なんて履かないんです」と彼女が言った。
こんな会話はもうできない。

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