あの日は確か真夏日で、でもなんとなくカラっとした暑さで心地よかった。
前からこの日は男友達で集まって駅前のビアガーデンに行こうよ!となっていた。
値段は安いのだが、ビールは自分たちでお代りに行く。そんなシステムも学生の俺達には
イベント感覚で楽しいのだ。
乾杯して楽しく飲んでいると、後ろの方の席で盛り上がっている女の子達のグループが目に入った。
何度もお代りをしに俺達の横を楽しそうに通って行く。
そのうち一人でお代りに来たショートパンツの子が、急に転んだようにうずくまってしまった。
びっくりした俺が慌てて「大丈夫?」と駆け寄ると、どうやら彼女が履いてきたピンヒールが地面の隙間に挟まってしまったみたいだった。
「すみません、ありがとうございます」
と言って恥ずかしそうにしていた。なんとか一緒に引っ張って事なきを得たんのだが、
なんとなく違和感を覚えて彼女が去っていくのをぼーっと見ていた。
しばらく楽しく飲んでいると、また彼女がうずくまっていた。
またピンヒールだ(笑)
少し笑ってしまいそうになったが、慌てて駆け寄ると「本当にすみません」と彼女も恥ずかしそうに笑っていた。少しドキっとした。
俺が一生懸命ピンヒールと格闘していると、「いつもはこんな高い靴なんて履かないんです」と彼女が言った。
こんな会話はもうできない。
居心地のあまり良くない買い物
私の親友はとてもふんわりしたお洋服を好む女の子です。
バリバリのキャリアウーマンですが、着ている服はピンク系のいわゆる甘め女子のお洋服です。
一方私は全くもってピンク系を着ない人です。
好きなのは主にパンツスタイルで、トラッド系の服が好きです。
そんな私たちははたから見ているとまったくもって服装に共通点がありませんが、とても仲が良いです。
私たちはよく一緒に買い物にいきます。
見たい服の系統があまりにも違っているので、いろいろなショップが入っている駅ビルが一番買い物しやすいところです。
私は彼女が好きそうな店に入るとどうしていいかわかりません。
おそらく彼女も私の系統の店に行くとそうだと思います。
どのお洋服を手にとってもぴんときません。
そして彼女が試着室に入ってしまうともうさらにどうしていいかわかりません。
明らかに店内で自分が浮いているように感じてしまいます。
早く出てきてほしいと心から思います。
私は着れないですが、友人には本当によく似合っていて、可愛い洋服だと思います。
それでも居心地はとても悪いです。
きっと彼女の買い物に付き合わされる男の人はこういう気持ちなんだろうなと思います。
さらに性別も違うので居心地の悪さは倍増されているのだろうと思います。
それ以来、彼女の買い物に付き合っている男の人を見ると、心から頑張れと応援したくなってしまいます。
私はなるべく男性をお買い物に付き合わせないようにしようと心に決めています。